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2011年3月30日 (水)

読書暦

Photo_2最近読んだ本を紹介。

毎週楽しみにしていたのですが、先週で最終回を迎えてしまったドラマ「外交官・黒田康作」の原作「天使の報酬」。

映画「アマルフィ」や「ホワイトアウト」の著者でもある真保裕一の作品を読むのは初めて。

文庫にはなっていなかったので図書館で予約を入れ、1ヵ月待ちで借りることができました。

ドラマとはかなり内容が違っていたし、キャラクターのイメージ設定も違っていましたが面白かった。。。

登場人物とその人間関係は多少同じ部分がありつつも、原作はもっとスケールが大きく、事件の内容も深く謎だらけ…。

政治と官僚、医療、テロリストの世界が交じり合い、意外な犯人と結末に最後の方は一気に読んでしまいました。

久しぶりに社会派の作品を読んだ気分です。

Photo_3
昨年、湊かなえの「告白」が原作、映画とともに話題になった頃、ある本屋で平積みになっていた文庫がこの「毒殺魔の教室」。学校で起きた事件というキーワードで並べられていたようです。

その時もすごく気になったのですが、読みたい本がたまっていたので購入せず作品名だけメモっておきました。

で、そろそろ読んでみようかと思ったのですが、宝島社文庫ということで本屋で探しても見つからなかったり、初めての著者の作品なので「面白くなかったら…」と上下巻購入するのをためらっていました。

ところがある日何気なく入ったBOOK OFFでこの文庫を発見。今度は迷わず購入しました。

物語は30年前、ある地方都市の小学校で成績優秀、スポーツ万能そして裕福な家庭に育ったリーダー的存在の男の子が、給食に混ぜられた毒で死んでしまった事件の真相を探っていくというもの。

当時、早い段階で事件はクラスでつまはじきだった少年の遺書と自殺で、その少年が犯人だったという結末で解決していた。

しかし、なぜ少年は同級生に毒を盛ったのか、そしてなぜ自殺したのか…。

当時の同級生たちからそのときの状況、それぞれの思いを聞くところから話は始まる。
そこで少しずつ明らかになる真実や噂。そして置かれた立場、クラスの中での人間関係によって死んでしまった男の子への思いや、犯人である少年への気持ちはそれぞれ違うことが明らかになっていく。。。

最後は思いもつかなかったところにまで話がつながり、上下巻あきることなく読み終えることができました。

でも当事者である小学生たちの心の傷、後悔、そして自殺した少年を思うと、辛く悲しい物語だと思います。

話の内容は一言で言えば「面白かった」なのですが、私が気になったのはその作風。

「学校内でおきた事件。犯人が生徒」ということで「告発」と比較されるのは仕方ないとしても、前半部分の同級生たちに話を聞き、その内容を手紙にしてある人物に報告するという手法は湊かなえの短編集「往復書簡」そのもの。

中でも「二十年後の宿題」という作品は、過去の不幸な事故の現場にいた小学生たちをたずねて、その会話の内容を手紙にしてある人物に届けるというもの。

もっと言えば、同じ湊かなえの「贖罪」も過去の忌まわしい事件を引きずる少女たちのその後を追った作品。

「後悔」「罪」「悲劇の連鎖」。小さな心に負った大きな傷と責任を描いた作品という点ではとても似ていると思いました。

どちらの作品の発表が先だったのかは不明ですが、きっと同じように感じた読者はたくさんいると思います。

そーいう点で有名になった湊かなえの方が有利な感じもしますが、単に似てしまっただけなのでしょう。

もうひとつ残念なのは、その手法もそれほど効果が得られず途中から違う方向へ話が進んでしまったということ。
最後の方にその人物のことも語られていますが、ちょっと消化不足かな。。。

Photo_4 そしてまもなく読み終わるのがこの「クリスマスに少女は還る」。

久しぶりの海外文学です。

この本もずいぶん前から色々なところで紹介されていて「面白い」という書評で気になっていたのですが、それこそ本屋でみかけることもなく、ましてクリスマスという題名に季節感を感じすぎて何となく購入をためらっていました。

でもAmazonで他のモノをオーダーするときに送料無料まで金額が少し足りなかったので、思いきってこの本も注文することに。

思っていたより厚い文庫で、文庫のくせに価格が1,000円。
でも読んでみたらその厚さも価格も納得。

物語はある小さな田舎町でクリスマス前に10歳の少女二人が行方不明になるところから始まる。
実は同じような事件が同じ町で15年前にも起こっており、クリスマスの朝に少女は死体となって発見されていた。
しかしその犯人はすでに逮捕され刑務所にいる。
では、今回の事件の犯人は…15年前の事件との関係性は…。

殺された少女の双子の兄であるルージュは心に深い傷を持ったまま警官となっていた。
そして今回の事件の捜査員として捜査を始める。

一方、誘拐された二人の少女は力をあわせて脱出を試みるのだが…。

いやぁ~なかなか話が進まないというか、思いがけない方向に進んだかと思うと、また戻ってくるみたいな…でも振り返ってみると、その関係なさそうな部分がとても重要なことだったり…。

あわただしい警察署、誘拐された少女たちの様子、医者の自宅、過去の事件の犯人がいる監獄、ルージュの家、誘拐された少女たちの自宅、まったく違う事件の発生…と場面が次々と変わっていくので、「えっ、この先はどーなるの」とさらに気になってしまいます。

とにかく一番心配なのは誘拐された二人の少女。
一風変わったサディー。でも彼女を知れば知るほど、いつの間にか大好きになってしまう不思議な女の子。
もう一人はお譲様育ちのグウェン。二人は大の仲良しの親友。
少女たちの場面は、「どうか無事に逃げて…」と本当にハラハラしどうし。
どんな結末を迎えるのか、楽しみであり怖くもある。。。それがあと数ページで明らかになるというところ。

外国文学ということで、一番苦労したのが名前。
色々な人物が登場するのですが、名前が覚えられない。。。

そしてこの作品を読んでいて、なぜか思い浮かんだのが「ツイン・ピークス」の風景。
小さな片田舎での物語で、住人たちが様々な形で登場すること、そしてその住人たちの日常や隠れた秘密が描かれていたり、事件とは関係ない場面が多く登場するのが「ツイン・ピークス」に似た感じがするのです。

さぁ、ラストまであと一息。
二人の少女が助かりますように…ハッピーエンドで物語が終わることを願って…。

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