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2011年11月 1日 (火)

読書の秋 その3

Photo 東野圭吾の作品を立て続けに4冊読みました。
(正確にはその間に違う作家の本も3冊読んだのですが…)

読書仲間の友人から借りた「嘘をもうひとつだけ」は、連作小説集。
どの作品もキーワードは「嘘」。その嘘を見破るのがさりげなく登場する加賀刑事。
犯人の言葉、何気ないしぐさを見逃さず、真相にせまっていく様子は連続テレビドラマに向いているような感じがします。
そう、ガリレオシリーズや古畑任三郎シリーズのように…。

ただ、どの嘘も凶悪な犯罪を隠すためのものでも、計画的なものでもなく、仕方なく、誰かをかばうため、何とか隠し通したい…という悲しい背景があり、ちょっぴりせつない気持ちになりました。

Photo_3 一緒に借りた「流星の絆」は少し前にテレビドラマ化された話題の作品。(私はドラマは見ていませんでしたが…)

仲の良い3人兄妹。しっかりものの兄、少しドジだけど優しい次男、可愛い盛りの妹。
しし座流星群を見るために深夜に家を抜け出した子どもたち。流星は雨で見ることができず家に引き返すと、洋食屋をいとなむ両親が惨殺されていた。

施設に引き取られ、つらいみじめな思いをしながら大人になった3人。
生きるために詐欺を繰り返す生活の中で、忘れられない事件の犯人と思われる人物に出会う…。

犯人を追い詰めるために仕掛ける罠、思いがけない誤算、そして驚愕の結末…。
東野ファンの方々のレビューを読むと、「少しものたりない」「3兄妹の絆が強調されすぎ」等々、厳しいコメントも見かけましたが、私はとても面白かったと思います。

Photo_4 お借りした本の最後が「幻夜」。
792ページ、文庫なのに1,000円という大作。

阪神淡路大震災の夜に衝動的に殺人を犯してしまった男、雅也。
それを目撃したひとりの美しい女、美冬。

やがて男の弱みを握った女は、男を意のままにあやつり、騙し、自らの野望を成し遂げていく…。

すごい悪女です。そして強く賢い女に振り回され続ける男たちが悲しい…。

東野圭吾の代表作とも言われる「白夜行」の続編だと知ったのは、読み終えてからでした。。。
といってもこれ1冊でも十分すぎるほどハラハラしながら楽しめましたが…。

Photo_5 しかしやはり「白夜行」を読まないわけにはいけません。
ブックオフに出向いて、すぐ「白夜行」を購入。
こちらはさらに100ページ増の864ページ、分厚い文庫で持ち歩くのが少し大変でした…。

時代は昭和。空きビルで殺されていたのは質屋の主人。
不審な点の多い事件は犯人と思われる男の死で迷宮入りとなる。

質屋の息子、亮司と容疑をかけられた女性の娘、雪穂。
二人の子どもたちの小学校時代から19年後までを時代の背景とともに描いた作品。

母子家庭だった母の事故死で裕福な女性に養女として引き取られた雪穂。
美しく、賢い少女はやがてその本性をあらわにしていく…。

そしてそんな彼女の影に見え隠れするひとりの男。。。

亮司と雪穂のつながり、関係を見つけ出したひとりの老いた刑事。
過去の事件の真相に少しずつ近づいていくのだが…。

この作品の魅力は、主人公である雪穂と亮司の心情がいっさい書かれていないこと。
周囲の人間たちの言葉や行動からしか二人を想像できない。

なぜ雪穂はここまで冷淡な女になってしまったのか、そして亮司はなぜそんな雪穂の影として生きてきたのか。彼女の目的は、彼の気持ちは…。

この作品のレビューのいくつかに、宮部みゆきの「火車」の新城喬子を思い出すというコメントがありました。
「火車」は私も衝撃を受け、宮部みゆきファンになった忘れられない作品。
そのラストは、最後の片ページを隠して読みたくなったほどの名シーンです。

確かにこの「白夜行」のラストも「火車」に似た感があります。
張本人たちの本心がまったく語られず、ハッキリとた真相や結末を迎えることなく、後を引くような終わり方をしています。

いずれにしろ、その後の雪穂⇒美冬、そして彼女の本心が気になって仕方ありません。
ぜひ続編を書いて欲しいと願う作品です。

余談ですが、「白夜行」を読んでから「幻夜」を読むというのが普通なのでしょうが、私は何も知らず「幻夜」を先に読んでよかったと思っています。
「白夜行」を先に読んでいたら、「幻夜」の最初に登場した美冬を、これが悪女=雪穂のその後なんだと先入観を持ってしまい、次々と行う悪行に驚くことがなかっただろうと思います。

さて次は大好きなシリーズの最新作「ガリレオの苦悩」に取り掛かりますか。

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