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2012年4月25日 (水)

ステップ

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重松清の「ステップ」を読みました。

結婚3年目、30歳という若さで1歳半の娘を残して妻が病死。
「僕」は男手ひとつで娘を育てていく決心をする。
保育園の初登園から小学校卒業までを綴った父と娘、妻の両親、そして二人を取り巻く様々な人たちの物語。

娘の成長と季節を織りまぜながら短編連載風に章が区切られており、どのエピソードも胸にジーンくる場面と言葉がいくつもあります。
そのひとつに、娘が小学校で母の日に母親の絵を書くという課題が出されます。
担任は母親の写真を見て書くように提案。
保育園では片親の家庭も多く、何かと気遣ってくれていたが、学校という場はそうではないことを思い知ります。

娘は「家にママはいるけど、パパが料理をするの」と言います。
友だちから嘘つき呼ばわりをされるのですが、母親の記憶さえない娘にとって、姿こそないもののママはいつも家にいる存在。
決してウソをついていたのではないのです。
「あんたんちはママが死んじゃったら、お家からいなくなるの?そんなの変だよ」
母子家庭は今時そんなに珍しくないけれども、父子家庭への認知度はまだまだ低い。
そんな現実をうまく描いています。

後半は父親本人の仕事や新しい出会いの話、妻の両親である義父、義母、義兄夫婦との関係なども織りまぜながら、テーマである「残された人たち」の成長を描いています。

重松清の作品は「その日の前に」を筆頭に、死と永遠の不在、残された人たちを取り上げたものがいくつかあります。
いつかは大切な家族と別れる日がくる。
その時、自分は…と考えると眠れなくなりそうですが、この「ステップ」を読んで少し気持ちがあたたかくなりました。

何度もグッとくる場面があるのですが、最後のお話は出勤前だというのに不覚にも鼻をすすり上げる始末。
慌てて化粧を直して出勤しました。。。
とっても、とってもオススメです。

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